東京電機大学
システムデザイン工学部

INTERVIEW

飯田千香子さん(西川株式会社)

「これ楽しいな」が、進む道をつくってくれる

 📆 2026. Oct(この記事に記載された情報は、インタビュー時のものです)

500年近い歴史を持つ寝具メーカー・西川で商品づくりに携わる、卒業4年目の飯田さん。今回は西川本社にお伺いし、開発の裏側や、今のお仕事でも活きている大学での学びをお話しいただきました。

いつか「自分がつくった」と言える商品を

――今のお仕事について教えてください

総合職として入社し、1年目の店舗・工場研修を経て、2年目の春から「商品部」に配属されました。商品部の中は扱うアイテムごとに課が分かれていて、私は毛布やタオルケット、敷きパッドといった寝具・インテリアアイテムを担当しています。

仕事は、商品の企画から開発、商品登録、出荷まで、本当に幅広いです。商品をつくるだけではなく、発売するための事務的な作業や、お客様からの問い合わせへの対応なども担当しています。

iida03

――最近の印象的なお仕事は?

クラウドファンディングを活用した商品(除湿シート)のプロジェクトです。
https://www.makuake.com/project/suyara006/
(編集注:クラウドファンディングは終了しましたが、商品はnishikawaのオンラインショップから購入可能です。)

普段は店頭に並ぶ商品の開発が中心ですが、この仕事では社内のさまざまな部署と連携しながら、クラウドファンディングのページづくりや問い合わせへの対応などにも関わりました。

通常の商品開発とは少し違う方法で、お客様に商品を知ってもらい、購入していただく仕事を経験できたので、とても勉強になりました。

商品部では、担当するブランドや販売先ごとに役割を持つこともあります。若手だからずっと先輩の補助をしているというより、少しずつ自分で任せてもらえる仕事が増えてきました。

――今後の目標は?

いつか「これは自分がつくった商品です」と言えるものを、1つ開発してみたいです。

今も商品開発には関わっていますが、何もないところから新しい商品を考えて形にする、「0から1を生み出す」ことはやはり難しいです。だからこそ、自分が中心になって商品をつくり上げる経験をしてみたいと思っています。

一方で、ジョブローテーションの機会がある会社なので、商品部での経験を活かして営業職に挑戦したり、若手採用を担う人事職などにも興味があります。

就職するときから、「絶対にこの仕事だけをやりたい」というタイプではありませんでした。いろいろな仕事を経験しながら、自分に合うものを見つけていく働き方も、自分には合っているのかなと思っています。

クラウドファンディングを成功させた除湿シート『ドライウェル®ミニ』

グループワークで身についた「人に合わせて動く力」

――大学生活はどうでしたか?

2年生から3年生の途中まではコロナ禍で、授業はほとんどオンラインでした。それでも楽しかったです。

いちばん役に立ったなと思うのは、グループワークが多かったこと。くじ引きなどで毎回異なるメンバーとチームを組む環境だったため、自分から話しかけにいく力やコミュニケーション能力がついたと思っています。

あと、「この授業はまとめてくれる人がいるから、自分はサポート役に回ろう」「誰も喋らないから自分が進行しよう」みたいに、その場での立ち位置のバランスを学べました。

――電大のデザイン工学科を選んだ理由は?

高校生の頃から理系で、「将来はものづくりに携わりたい」という思いがありました。北関東出身なので、東京に出て進学したいと考えてオープンキャンパスに通う中で、デザインだけでなく、UI/UXやプログラミングなど、幅広い分野を横断して学べる学科があることを知りました。

高校生の時点で「これだ!」と限定してしまうより、いろんなことを試しながら自分のやりたいことを見つけられる環境が魅力的に映りました。

高校に指定校の枠があったので一旦チャレンジしてみよう、と受験しました。

――トップクラスの成績が記録されていますが、何でも得意だったのでしょうか。

全然そんなことはありません。

物理も特別得意だったわけではないですし、英語も得意ではありませんでした。特にプログラミングは苦手分野でした。友人と互いの得意分野を教え合ったり、教授に質問したりして、疑問点を分からないまま放置しないよう努めていました。

この時に培った姿勢は、社会人となった今も日々の業務に活きていると実感しています。だから、「理系の大学に行くなら、数学や物理もプログラミングも全部得意じゃないといけない」と思う必要はないと思います。

――就職活動はいつ頃から始めましたか?

本格的に動き出したのは3年生の後半からです。コロナ禍だったので、説明会も面接もほとんどオンラインでした。

当初は「絶対にこの1社」という強いこだわりがなかったため、少しでも興味や関心を抱いた企業には積極的にエントリーシートを提出する、という進め方でした。ものづくりに関われるメーカーを軸に、文具、食品、インテリアなどを見ていく中で出会ったのが、今の会社です。就職活動をしながら、自分がどんな仕事に興味があるのかを考えていった感じです。

早めに就職先が決まっていた友人に面接練習を付き合ってもらいました。普段の自分のことを知っているので、「こういうところが自分の良さじゃない?」とアドバイスしてもらえるのでおすすめです。

――大学生活の思い出は?

研究室の合宿ですね。

研究室は、人の行動特性に興味があったのと、先輩方の研究テーマを見て分野が幅広かった、環境行動研究室というところを選びました。

卒業研究の発表梗概を書き上げるため、千葉にある廃校を活用した施設で合宿を行いました。締め切り数分前に提出が完了するという、全員分を指導してくださる教授も大忙しの状態でした。真冬の厳しい寒さ、その中で食べた夜食の味も含め、研究室の仲間や教授と一体となった、非常に思い出深い経験です。

――最後に、高校生へメッセージをお願いします。

デザイン工学科には、デザインだけでなく機械系や電子系まで、いろいろなジャンルの授業がありました。そういう環境にいると、「この授業をやっているときが楽しいな」と心が動く瞬間が必ず出てきます。

私はわりと行き当たりばったりなタイプなので、早くから「自分は何が好きなんだろう?」と考えて動いていれば、違う景色が見えていたかもしれません。でも、遠回りをしたからこそ今の自分や仕事があると思っているので、この道で正解だったなと感じています。

進路を選ぶときには、最初から一つに決めるだけではなく、「入ってからいろいろなことを試せる大学か」という視点で考えてみるのも、一つの方法だと思います。周りと比べすぎず、自分のペースで、あなたらしい選択をしていってください。応援しています!

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