教員紹介
学校は授業を受けるだけでなく、一日を過ごす場所として児童生徒にとって大事な環境です。かつての学校は全員が同じ内容を同じ進度で学ぶ一斉授業が中心でしたが、今日では個人の進度や関心、特性に合わせた学習が増えています。このような授業のために、グループで作業できる場所と一人で集中する場所、静かな場所と活気のある場所というように、多様な場所のある教室が作られています。新しい学校をどうデザインするか、既存施設をどう変えていくかをフィールド調査を通じて考え、ワークショップや学校づくり支援を行っています。
人が物理的空間にいることは変わりません。しかし、インターネット・SNSを通じてそこにいない人々とつながることで、そこにいるけれど、そこにいない状態になります。 居場所というとき、以前は物理的な空間の中の、そこにしかない場所でした。今、若年層にどこが居心地がいいか聞くと、チェーン飲食店が多く挙がります。移動が多い一方で、どこにいてもつながる社会では、どこにでもある店舗がなじみのある環境になっているようです。逆に、様々な生活行動をコンピュータの前に座ったままできるようになったことで、場所から場所へ移ることの意味も変化しています。このような、現在進行中の生活や行動の変化について調べています。
行動観察・調査を元にデザインを考えた卒業研究をいくつか紹介します。
■学習塾の空間デザイン:学習塾で生徒がどこに集まるか、どのように交流するかを調査し、結果に基づいて休み時間にくつろぎ、友達・先生と交流しやすい空間のリニューアル案を作りました。
■段ボール結束をガイドする道具:資源リサイクルに出す段ボールを束ねるのは意外と面倒です。動作を分析して、これを補助する道具を試作した結果、手こずるポイントが減り、人によってバラバラだった手順もスムーズになりました。
■高齢者施設の家具レイアウト:入居者がリビングですごす時間を増やす目的の実践的研究です。事前調査でソファが特定の人に使いやすい位置にあること等がわかり、それを改善する家具配置を提案、導入しました。事後調査では、個室にこもる合計時間が減少し、ソファや和室をより多くの人が使うようになったことが確認できました。



