教員紹介
私たちの研究室では「ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI: Human Computre Interaction)」の研究をしています。このHCIの“I”=「インタラクション(interaction)」とは、「インター(inter)」と「アクション(action)」が合わさった言葉です。つまり、HCIは人とコンピュータシステムの関わり合い(インタラクション)を研究する学問分野です。その目的は、人の活動を適切に支援することです。そのために、人を正しく理解するためにはどうしたらいいだろう?人をうまく導くにはどうしたらいいだろう?どのように支援したら人がうまく活動できるだろう?ということを考えます。
HCI研究の一つとして、子どもの見護り環境の構築を目指しています。少子化が急速に加速する中で,多様性が確保された社会を実現し発展させていくためには、それぞれの子どもの個性を伸ばすよう適切に成育を見護ることと,安心安全に子育てをすることの双方が重要です。しかし、子育て世帯が年々多様化・孤立化する中、先行きの不透明な時代に育児をすることに不安を抱える保護者は多いという現状があります。そこで、私たちは、子供が利用する様々なものにセンサを組み込んだものを家庭や学校等に導入し、データを縦断的・横断的に分析・可視化することに取り組んでいます。
アートは、ものの本質を問いかけ、見方を変え、視点の転換をもたらすものです。科学技術と一般社会との距離感が拡大している中、そのようなアートの役割に着目した科学技術コミュニケーションの必要性が増していると言えます。本作品“Astral Body”も、科学技術とともに変化する「生命」という概念について人々に再考してもらうことを目的とした「人工生命(Artificial Life)」に関する研究です。かつて生きていた本物の生物の身体と、その生物の動きを再現した無機物による擬似的な気配とを、一つの空間で対比させ、鑑賞者の評価から人が感じる生命の本質を探るべく考察しています。