教員紹介
本研究では、脳波の事象関連電位であるP300を用いて人の意思を判読するブレインコンピュータインターフェース(BCI)と呼ばれる技術の性能の向上について検討を行った。その結果、BCIの視覚刺激の色として赤および青を用いることにより、従来多用されている無彩色と比較してSN比が改善し、意思判読率の向上や意思判読のために要する時間の短縮に繋がることを示した。
本研究では、近年のうつなどのストレス関連疾患患者の増加問題から、将来的に需要が考えられるストレス軽減治療を効果的に行うための、リアルタイムのストレス計測法を検討した。脳波やスマートフォン操作の指の動作の特徴を解析することで、任意の時刻の客観的なストレス値の計測が可能な手法を提案した。
睡眠段階の判定は精神科での診断で非常に重要であるため、睡眠段階の自動判定システムの開発が望まれている。我々はこれまでに脳波の特徴波判定に適したニューラルネットワークを検討し、従来難しかった孤立性を持つ特徴波を正しく判定する方法を開発した。さらにこれを応用して、睡眠段階の自動判定システムを提案した。実験の結果、従来の平均スペクトルのみを用いる方法に比べ、より医師に近い診断ができることが示された。