教員紹介
20世紀の工業製品分野における商品デザインの歴史についての研究を行っている。一般論として,歴史を学ぶことは現在を客観視することと言えよう。現在の「常識」がいかに現在の社会情勢の下での瞬間的な特性であるかを理解することで,デザインに臨む際に自らを縛る固定観念やバイアスから逃れ,自由な発想をすることができる。また,過去の企業の商品開発や販売戦略、組織の成功・失敗に関する多くの知見が得られ,現在の商品やブランドのマネジメントを考える上で示唆に富み,有益である。
デザインは本学のように工学の内部に包含されることもあれば美術大学で純粋芸術の傍流のように扱われることもある。学問分野として未熟なデザイン学においては、その地位向上を狙ってか疑似科学的アプローチが野放しになっている。批判(critique)は学問の基本的な態度である。批判的デザイン学は粗悪なデザイン学を批判し、デザイン学自体を鍛えんとするものである。
人間を取り囲む空間から手の中(スマートフォン内も含む)までを対象とする、いわゆるインダストリアルデザイン領域。医工連携デザイン等とも表現される、身体性に基づいたデザイン研究をおこなっている。仮説を立ててプロトタイピングを繰り返しながらより良い解を求めるのは研究もデザインも同じである。